マイケル少年が初めて格闘技に触れたのは3歳の頃。オーソドックスなキックボクシングでもレスリングでも柔術でもなく何故か「功夫」をチョイス。その後5歳でキックボクシングの試合に初出場し、伝統派空手であったりテコンドーであったり様々な格闘技に手をつけていき膨大な試合経験を積んでいく。後にオリンピックのテコンドー代表候補として抜擢されるがプロ格闘技を続けるために辞退。かなり早い年齢から格闘技に携わっていた彼であったがプロデビューは遅く、初試合は2011年2月に行われた「UCMMA」での総合の試合。以降プロの世界でも頭角を表していき現在までの戦績は12戦12勝。その内10試合がKOか一本による勝利である。現在アメリカの総合格闘技団体「Bellator」を主戦場としている。
彼の特徴をあげるならフットワークとその行動原理だ。体が柔らかいためなのか動作後の硬直が少なくとにかく相手に触れさせない、また自分が行った動作から相手が次にどんな行動を採るのかを過去の経験から導き出し自身が危機に瀕する確率が最も少なく、尚且つ相手に対し効果的である確率の高い技をその都度採決して振っている事が試合を見ているとよく分かる。試合中とにかく無駄な行動がない。身体能力だけに頼らず頭で考え自身が常に有利になるよう意のままに試合を作っていくキレモノだ。
長いリーチを生かした遠い間合いからのスーパーマンパンチを多用する完全な打撃巧者である彼だが柔術やレスリングが苦手かといえばそんなことはない。自分から仕掛けにいく場面はあまり見られないが相手のタックルやサブミッションに対し、それを逆手にとり自分の有利なポジションに持っていけるだけのパワーとテクニックも兼ね備えている。現在の一定以上のレベルのプロ総合格闘技では打投極どのスキルを取っても穴のない選手である事がプロとして勝ち上がっていくための絶対条件であるがその中でも彼は全ての能力において抜群に突出した欠点のない選手であると言えるだろう。
非常に能力の高い選手であるが故にこれまで行ってきた12戦の試合の中で目立った苦戦をした事はない。基本的に余裕がある試合展開である事が多いためしばしば試合中に挑発行為を繰り返す。2017年現在彼は30歳であり、プロの格闘家としては老齢に分類される時期にきている。俺が望む事はさっさとUFCに来て、そこのトップクラスの連中との試合を見せて欲しいという事だけだ。俺の見立てではこういうタイプの選手は単純なタフガイに弱い。ネイト・ディアスあたりとぶつけてみれば面白い試合展開になる事だろう。
いずれにせよ現在人気も話題も沸騰中のイカれた格闘家「マイケル・ペイジ」。彼がUFCに移籍するのか否か、そしてその中でどこまで行けるのかが個人的な今後の見所である。


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